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(84)時計の歴史

ここでは、時計:計時機器の歴史全般についてご紹介します。

【日時計】

時計の歴史は古く、古代文明時代まで遡ります。
当時から天体観測などが行われ、それをもとに季節、日付、時間が定められていました。
そんな中、1日の時刻の測定に使われていたのが日時計です。
地面に垂直に立てた棒の影の移り変わりを見て、時刻を判断していたと思われます。

 

【水時計】

一方で日時計には夜間には使えない、というデメリットがありました。
そこで、エジプト人により水時計が発明されました。
日没に合わせて水瓶に水を入れ、底に開いた穴から水が漏れていき、
減った水の量に合わせて、水瓶の内側の目盛りを見て時刻を測っていました。
中国、日本などでも水時計が使用されていたことが知られています。

 

【燃焼時計】

水時計も万能ではありませんでした。気温の変化などにより、蒸発したり、凍ったりしたからです。
そこで燃焼時計時計が発明されました。
ろうそくや線香、ランプの油など、燃焼が一定のスピードで進むものを使い、
残量を確認することで時刻を測ることができました。

 

【砂時計】

その後、1500年頃には技術の進歩により、砂時計が登場します。
ガラスの容器に入った砂が落ちることで時刻が確認できる砂時計は、運搬もしやすく、
ひっくり返せば何度でも再利用できました。

 

【機械式時計の登場】

機械式時計は1300年頃に考案されました。
おもりが落ちる力を利用し、鐘を鳴らして時刻を知らせました。
上部に取り付けられた棒てんぷが水平に動くことで動きを調整していましたが、
安定性に欠け、精度も低く、1日に30分から1時間も誤差がありました。

 

【振り子式機械時計の発明】

ガリレオが発見していた、「振り子の等時性」(振り子は同じ長さであれば、大きく振れても、小さく振れても1往復にかかる時間は変わらない)を用い、1656年、オランダのクリスチャン・ホイヘンスが振り子時計を発明。
精度はそれまでの10倍以上の、1日数分単位まで縮めることが出来ました。

 

【持ち運べる機械式時計へ】

機械式時計は重りと振り子を使っていましたが、そのため運搬には向いていませんでした。
そこで、重りの代わりにゼンマイを動力に使用することで、小型化が可能となりました。
また、螺旋状のゼンマイ、てんぷがこれもホイヘンスにより発明されたことで、
振り子に頼らずに等時運動が可能になり、懐中時計の誕生につながりました。

 

【クォーツ時計の発明】

その後隆盛を誇った機械式時計ですが、1日で数秒単位の誤差があり、
ゼンマイを巻かなくては止まってしまいます。
そこで1年以上正確に動き続ける時計、クォーツ時計が発明されました。
水晶に電圧を掛けると振動する原理を利用し、テンプの代わりに水晶を、
ゼンマイの代わりに電池を使用することで、精度を飛躍的に向上させました。

日本のセイコーが発明した最初のクォーツ時計(1968年・掛け時計)は、1ヶ月で5秒程度の誤差しかなかったそうです。

その翌年、1969年にセイコーにより、クォーツ式腕時計のアストロンが販売され、
今に続くクォーツ時計隆盛の始まりとなりました。

今では、クォーツ時計の技術がキッチンタイマーから目覚まし時計まで、幅広く活用されています。